個人向け国債の金利上昇!!魅力的な運用商品に。

FPオフィス ワーク・ワークス ファイナンシャルプランナー(CFP)の中村宏です。

長期金利(新発10年物の国債の利回り)が上昇したおかげで、資産運用の選択肢が拡大しそうです。

2月に発行される個人向け国債の金利が上昇しています。
募集期間は、今月1/10~1/31。ただいま募集中です。
なお、毎月発行していますので、焦って購入する必要はまったくありません。
銀行でも郵便局でも証券会社でも購入することができます。

個人向け国債には、「変動10年」・「固定5年」・「固定3年」の3種類ありますが、2月発行分の金利は以下の通り。

変動10年:0.33%(税引きで0.26%)
固定5年:0.18%(税引きで0.14%)
固定3年:0.05%(税引きで0.04%)

おすすめはもちろん、「変動10年」。
将来的に市場金利が上昇すれば、それにつれて適用金利が上昇する商品です。
足元の金利情勢をみると、今後、市場金利は上昇の確率が高そうですからね。

「変動10年」の金利0.33%の水準は、2015年以来だといいますから、じつに8年ぶり。

なお、個人向け国債は、元本確保型の金融商品です。元本割れの心配はありません。安全志向の方向けの金融商品です。

ここで、個人向け国債の特徴についておさらいしましょう。
(詳細は、財務省がホームページで案内しています)

3種類とも、年2回、半年ごとに利息が仕払われます。投資信託のように、利息等の収益が自動的に再投資されることはありません。税引きの利息は、預金口座などに振り込まれます。

また、3種類とも、購入後1年間は換金ができません。
したがって、1年以内に使う予定があるお金で購入してはいけません。
1年経過すれば、いつでも換金することができます。
ただし、その時は、直前2回分の利息相当額が差し引かれます。

例で説明しましょう。

個人向け国債を100万円分購入し、半年後に1万円の利息がついたとしましょう。
税金が約20%かかりますから、手取り利息は8,000円。
1年後にも1万円の利息がつき、手取り8,000円を受け取ります。
そのあと、換金すると、100万円から16,000円差し引かれ984,000円が戻ってきます。

つまり、1年経過してすぐに換金すると、プラスマイナス0。
1年半以上保有すると、儲けになります。

2月発行分の0.33%は、定期預金の金利より、かなり高い利率だと思いますよ。

私は、個人向け国債の使い方として、次のような使い道があると思っています。

(1)ペオオフ対策
預金はペイオフといって、金融機関が破綻したとき、1,000万円の元本とその利息までは保護されますが、それ以上の返還は保証されない仕組みがあります。
個人向け国債は、預金ではないので、同じ金融機関で購入しても大丈夫です。・・・・もちろん、国が破綻すればいけませんが、、、、

高齢者の方の中には、ペイオフ対策のために、たくさんの金融機関にいくつも口座を持っている方がいらっしゃいます。
1,000万円の預金を10の金融機関の口座に分散して保有しているような方です。

口座がたくさんになると、資産の管理が複雑になりますね。

そんな方は、金融機関の預金口座には1,000万円を預け入れ、残りの9,000万円は、同じ金融機関で個人向け国債を購入するのです。株や投資信託などではないので、元本割れの心配はありません。

個人向け国債は、預金より金利は高いし、1年経過後からは必要に応じて換金することもできます。預金口座のお金が少なくなったら、個人向け国債を一部換金して、預金口座に補充すればいいです。

(2)投資の待機資金の受け皿
まとまったお金があっても、その資金で株や投資信託に一括投資をするのは、相場の影響を強く受けるので、リスクが高過ぎます。

できれば、積立投資がいいですね。
しかし、積立投資では、資金がなかか投資に回りません。

たとえば、手元に2,000万円の預金がありますが、当面使う予定がないので、投資をしようと考えているとしましょう。
積立投資で、月10万円ずつ投資信託を購入したとしても、1年間で120万円しか投資に回りません。残りの1,880万円は預金のままで、収益を生みません。

このような場合、1年目は1,880万円で個人向け国債を購入し、残った120万円は積立投資の資金に充てます。そして、1年ごとに120万円分ずつ個人向け国債を換金して、積立投資の資金にする、というやり方です。

つまり、個人向け国債を投資の待機資金の受け皿として使うのです。

何度もいいますが、まとまったお金で一括投資をすると、相当高い確率で、後悔することになります。
辛抱して、積立投資をするようにしてくださいね。

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