相続人の優先順位は、法律で決まっている。

FPオフィス ワーク・ワークス ファイナンシャルプランナー(CFP)の中村宏です。

TBSテレビの日曜夜9時からの「危険なビーナス」、観てますか?

「矢神家」の人物相関図は、ネットを見ればすぐに確認できますので、それを確認しながら、以下の内容を読んでいただけませすでしょうか?

亡くなる人の財産は、誰が相続するでしょうか?

相続人になる可能性のある人は、亡くなった人の配偶者、子供、父母、兄弟姉妹など、血縁関係にある人ですが、配偶者以外は、相続人になる優先順位が、民法によって決められています。

亡くなった人の配偶者は、どのような場合でも常に相続人になります。
なお、内縁の妻など正式な婚姻関係のない人は、相続人になることはできません。

配偶者以外の場合は、優先順位が決まっています。

【第1順位】子供がいる場合

この場合は、配偶者と子供が相続人になります。
亡くなった人の親や兄弟姉妹は、相続人になれません
なお、離婚、死別などで配偶者がいなれければ、子供のみが相続人になります。

子供が死亡していれば、子供の代わりに孫が相続人になります。
孫も死亡していれば、ひ孫が相続人になります。このことを代襲相続といい、下へ下へとどんどんつながっていきます。

子供は養子でも構いません。

前妻との間にできた子供も、実子ですから、相続人になります。

配偶者に連れ子がいた場合、連れ子は相続人になれません。しかし、養子縁組していれば相続人になります。

【第2順位】子供がおらず、直系尊属がいる場合

子供がおらず、父母がいる場合は、配偶者と父母が相続人になります。
兄弟姉妹は相続人にはなれません。
なお、配偶者がいなければ、父母のみが相続人です。

父母が死亡していなければ祖父母、祖父母が死亡していれば曽祖父母というようにどんどん上につながっていきますが、寿命もあるので、なかなか上にはつながりません。

【第3順位】子供も、直系尊属もおらず、兄弟姉妹がいる場合

この場合は、配偶者と兄弟姉妹が相続人になります。

兄弟姉妹が死亡していない場合、代わりにその子供(甥や姪)が相続人になります。しかし、甥や姪が死亡している場合、その子供は相続人になることはできません。
つまり兄弟姉妹の代襲相続は、その子供(甥や姪)まで、ということになります。

さて、あらためて「危険なビーナス」を考えてみましょう。

ドラマでは、矢神康治が今にも死にそうで、康治が死亡したあとの財産の相続を巡って話が進んでいきます。

康治の配偶者(斉藤由貴)は既に死亡しています。
康治には子供がいます。
1人は斉藤由貴の連れ子の妻夫木聡、そして失踪した実子の染谷将太。

このことからわかることは、相続人は【第1順位】の実子の染谷将太の1人だけです。なお、妻夫木聡と養子縁組していれば、染谷将太と妻夫木聡の2人が相続人ですが、親族が妻夫木聡を敵視している様子がないことから考えると、妻夫木聡は養子ではなく、相続人ではないことが予想されます。

さて、康治が染谷将太以外の人に財産を相続させる旨の遺言を書いていない限り、遺産分割に他の人が入り込む余地はありません。遺言がなければ、染谷将太が遺産の100%を相続する権利があります。

そして、念を押すように、遺言には、染谷将太に財産のすべてを相続されると書かれているのです。

それなのに、染谷将太の婚約者で婚姻関係すらない吉高由里子が、いきなりやってきた周囲を引っ掻き回します。

吉高由里子には、そんな権利も資格もないはずです。いわば「通りがかりの第三者」であります。

康治の姉の戸田恵子、弟の池内万作、康治の父康之介の後妻の子供安蘭けい、康之介の養子のディーン・フジオカと麻生祐未などが暗躍します。
しかし、この人たちも、今回の相続の当事者ではありません。

康治の父である康之介が、これから死亡するのであれば、康治、戸田恵子、池内万作、安蘭けい、ディーン・フジオカ、麻生祐未は、相続人として当事者なので、大揉めに揉めるのもわかります。
しかし、康之介はすでに死んでおり、康之介の財産の相続は終わっているのです。

関係ない人たちが大騒ぎをしているヘンなドラマなのです。

池田動物病院の看護士、中村アンが、自分の役割や仕事を最も誠実に行っているように思います。

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◆この記事は、メルマガ「生活マネー ミニ講座」(「まぐまぐ」:無料)にて配信したものです。

 

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