つみたてNISA口座の利用状況(2020年3月末時点)

FPオフィス ワーク・ワークス ファイナンシャルプランナー(CFP)の中村宏です。

興味深い調査結果があります。

金融庁が公表した「NISA・ジュニアNISA口座の利用状況調査(2020年3月末時点)」

NISA(少額投資非課税制度)には、一般NISA、つみたてNISA、ジュニアNISAの3種類がありますが、ここでは、「長期・積立」という長期的な財産形成に資するつみたてNISAのみに着目したいと思います。

2020年3月末時点というと、日本や米国の株価が2月初旬まで上昇していたのが、新型コロナウィルスの拡大で3月中旬くらいにかけて一気に下落した時期を含んでいます。

この間、賢明な、クレバーな、目端の効いた人がどんな行動をしたか?

2019年12月末と2020年3月末を比較して示しましょう。

■つみたてNISA口座数

2020年3月末時点で、219万口座。
3ヶ月前の2019年12月末時点より口座の数が16.2%増えています。

年代別の増加率は、以下の通り。
20歳代:13.9%
30歳代:19.4%
40歳代:16.7%
50歳代:16.5%
60歳代:13.1%
70歳代:9.7%
80歳代以上:10.7%

30~50歳代の方々の口座数の増加率が高くなっています。
特に30歳がつみたてNISAを実践すべく、機敏に動いたようです。

■つみたてNISAにおける商品買付額

2018年につみたてNISAがスタートしてから2020年3月末時点までに、3,732.8億円の投資が行われたました。これは、2020年3月末時点の保有の時価総額ではありません。累計投資資金です。
この額は、3ヶ月前の2019年12月末時点よりも25.5%増えています。
つまり、3ヶ月の間にかなりの投資資金がつみたてNISAに投じられたことを示しています。

制度がスタートして今年で3年目。まだまだ日の浅い制度ですが、2020年の最初の3ヶ月間に投資額が25.5%アップした背景には、新型コロナの影響で株価が大きく下がったことと関係がありそうです。

つみたてNISAで投資できる商品は、金融庁に届け出られた公募投資信託とETF(上場投資信託)です。

累計投資資金のうち、公募投資信託の買付額が99.98%です。
つまりETFはほとんど買われていません。

では、公募投資信託の内訳をみると、
インデックス投信:75.5%
アクティブ運用投信等:15.1%

圧倒的に、インデックス投信、つまり指数連動型の投資信託が選ばれていることがわかります。

2020年3月末時点でつみたてNISA口座を開設している人は、まだ約220万人です。

今後も特に、20歳代、30歳代の方々の積極的な活用を期待したいと思います。

つみたてNISAは、長期運用が可能な若い方向けの制度といえますが、長寿化してますので、50歳代、60歳代の方も、積極的に活用してはいかがでしょうか。

 

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