住宅の「残価設定ローン」が、今後出てくるかも!?

FPオフィス ワーク・ワークス ファイナンシャルプランナー(CFP)の中村宏です。

自動車ではすでに一般的になっている「残価設定ローン」が、近い将来、住宅でも普通になるかもしれません。

国土交通省は、2021年度にも住宅の「残価設定ローン」の普及に向けて、民間の金融機関が参加するモデル事業をスタートします。残価設定ローンとは、借入金額と将来の住宅の価値の差額分だけを返済する仕組みです。

たとえば、現在の住宅の価格が6,000万円で、ローンの満期時の価値が2,000万円と想定した場合、返済は、差額の4,000万円で済むということ。

6,000万円を借り入れて返済するよりも、4,000万円分の返済のほうが、毎月の返済負担を軽減することができます。

なお、もちろん、一方的なうまい話ではありません。

ローンが満期を迎えたときは、
1、残価で住宅を買い取る
2、再度ローンを組む
3、家を売却する
などの複数の選択肢から選ぶことになります。

家は、残価(上記の例では2,000万円)で買い取ってもらえるため、売却すれば、ローンは完済されます。

自分たち夫婦が死亡したあと、自宅を子供に相続させても、相続した子供が始末に困ることも想定されます。
であれば、夫婦が死亡した時点で、残価で家が売却できれば、きれいさっぱりスッキリするという考え方もあります。

ローンの満期が、夫婦であとに残った方が亡くなったときにできればいいですね。

こんなローン商品が多くの金融機関から出てくれば、活用したいと思う人が出てくるかもしれません。

残価設定ローンのポイントは、将来の住宅の価値をどう評価するか?ということでしょう。

なお、この種のローンは、すでに新生銀行から販売されています。
その名は、「リバースモーゲージ型住宅ローン」

満60歳以上の方が、住み替え資金、建て替え資金、リフォーム資金、住宅ローンの借り換え資金などとして借りることができます。

融資期間は、一生涯。

自宅を担保にしてローンを借りて、亡くなるまでは、利息だけを支払い、亡くなったときに、自宅を売却して残債を一括返済します。

注意点は、借入額は、担保物権評価額の50%~65%程度。

また、適用金利のタイプは、変動金利。
普通の住宅ローンの金利よりは割高です。

ちなみに、2020年10月の契約の場合、
借入額が、担保物権評価額の50%以下(長期優良住宅は55%以下)の場合の金利は、1.95%。

50%超60%以下(長期優良住宅は55%超65%以下)の場合は、2.50%。

・・・・30代からでも使える商品が出てきてほしい。

 

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