住宅ローン減税で儲ける!?制度の主旨が違う!

FPオフィス ワーク・ワークス ファイナンシャルプランナー(CFP)の中村宏です。

昨日の続きで、住宅ローン減税制度の問題点について。

先週か先々週だったかに記載した記憶がありますが、近年、金利が1%を下回る住宅ローンが次々に出回っているおかげで、住宅ローン減税制度を使うと儲かるようになっています。

最近の住宅ローンは、変動金利で0.4%という金利が出てきています。

この場合、1年間に支払う利息は単純計算で元金のたった0.4%。一方、1年間の減税額は元金の1%です。差の0.6%相当額が儲かることになります。

具体例で見てみましょう。

住宅ローンの残高が2,000万円とすると、支払う利息額は単純計算すると1年間で2,000万円×0.4%=8万円です(実際には、毎月返済するで利息額はもう少し多くなります)。

一方減税額は、2,000万円×1%=20万円です。

差額の12万円が儲けになります。

では、住宅ローン残高が4,000万円だとどうなるでしょう。
1年間で支払う利息額は、16万円。一方減税額は40万円ですので、差額の24万円が儲けになります。

このことから、たくさん借りるほうが儲かることがわかります。

元々、住宅ローン減税は、ローンの利息負担を軽減して住宅を取得しやすくすることを目的にできたものです。しかし、近年の超低金利のおかげで、負担の軽減を通り越して、儲かるようになりました。

ローンを借りるときの原則は、負担を抑えるために「借入額はできるだけ少なく」、「返済期間はできるだけ短く」、「返済中に貯蓄ができたら積極的に繰上返済を行う」でした。

しかし、現在の金利情勢の下、「貯蓄があっても頭金を入れずにできるだけたくさん借りる」、「減税期間が終了するまでは繰上返済は控える」ことが、儲けるコツになってしまっています。

 

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