円建ての一時払終身保険が売れているらしいが・・・要注意!

FPオフィス ワーク・ワークス ファイナンシャルプランナー(CFP)の中村宏です。

昨日、2月23日は天皇誕生日で祝日ですが、令和になって数年が経つものの、なかなか馴染めません。

昭和に育った者にとって、天皇誕生日といえば、4月29日。
今は、なんの日でしたっけ?
昭和が良かったとはいいませんが、悪くはなかったような。

さて、円建ての一時払終身保険が、今年に入ってからすごく売れているそうです。
背景には、長期金利の上昇があります。

昨年12月に、日本銀行が長期金利(新発10年国債の利回り)の上限を、それまでの0.25%から0.5%に引き上げました。
一般的に、国債の利回りは市場で決まるのですが、かねてより日本銀行は、金融緩和政策として国債の利回りを低くコントロールしています。

昨年来、欧米は、インフレ対策として中央銀行が利上げ(短期金利のコントロール)をし、その影響で欧米では長期金利が上昇していました。日本の国債の金利も、欧米の影響で上昇圧力がかかり、それまでの上限0.25%までに抑えることができなくなり、0.5%にコンロールの幅を広げたのです。

すると、すぐに日本の長期金利は、0.5%程度に上昇しました。

円建てで販売される普通の生命保険の場合、契約者から集めた保険料は、生命保険会社によって、主に日本の国債などの債券で運用されます。

日本の国債の金利が上がれば、保険会社が契約者に約束する運用利率(予定利率)も上昇します。

予定利率が上がれば、終身保険、学資保険、養老保険などは、貯蓄性が高まります。
つまり、生命保険を活用した財産形成が効率的にできるようになるのです。

以上のようなことを背景に、円建ての一時払終身保険が売れているというのですが・・・・ちょっと待ってください。

円建て一時払終身保険は、外貨建てではないので、為替変動リスクなどはなく、安全性はとても高いです。一定期間内に解約しなければ元本割れの恐れはほぼないので、安心できます。

しかし、国債の金利は、今後、まだ上る可能性があります。
4月からは日本銀行の総裁が新しい人に交代します。金融政策が変更される可能性もあります。
予定利率は一般的に「固定金利」なので、国債の金利が上がっても、加入している生命保険の予定利率は上がりません。

また、一定期間内に解約すると元本割れになってしまいます。お金が必要になっても、一定期間は解約することができなくなります。

「生命保険を使った資産運用はすべきではない!」

資産運用をするなら、来年からスタートする新NISA制度の活用をおすすめします。
老後資金の準備に限定するなら、iDeCoの活用を検討してもいいでしょう。

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