親の自宅は、誰かがちゃんと相続して登記しないとダメ!!

FPオフィス ワーク・ワークス ファイナンシャルプランナー(CFP)の中村宏です。

両親が亡くなったあと、現預金などの金融資産や資産価値の高い自宅などの不動産は、家族みんなが欲しがって、自分の名義にしたがるのですが、価値を生まない自宅などは、誰も欲しがりません。

「田舎の不便な場所にあり、買い手も借り手も簡単に見つからない親の自宅」が欲しがられない遺産の典型です。既にマイホームを購入している人などの中には、親の自宅を相続したくない方が多くいらっしゃるでしょう。

そんな自宅を相続してしまうと、固定資産税などを自分が負担しなければならなくなります。庭に草が生えたり、建物が老朽化すると、近所迷惑にならないように、手入れをする必要もあります。

そんなことから、死亡した親の名義のまま放置されている不動産がたくさんあります。

放置が長年に渡って続くと、登記簿上は死亡した人の名義で、実際には誰のものだかわからない不動産がどんどん増えていきます。
子供、孫、ひ孫・・・と数世代も経過すると、狭い土地・小さい建物なのに、所有者が何百人にもなってしまします。そうなると、処分するための合意形成をするのもたいへんです。

遺産は、相続人同士で個々の財産の相続者を決めないと相続されないのではありません。その人が亡くなったその瞬間には、すでに相続されているのです。一般的には、法定相続人(遺族)同士が共有しているとみなされます。

したがって、放置が続くと、共有者がねずみ算式に増えるのです。

政府は、2021年に民法と不動産登記法を改正する予定です。

現在は義務化されていない土地の相続登記を義務化し、相続人が一定期間内に登記をしなければ過料(金銭罰)が課されることになりそうです。

現在は、期限が決められていない遺産分割協議に期限が設定され、相続開始(死亡)から10年を経過すると法定相続分で確定されそうです。

また、一定の条件を満たす土地は、所有権の放棄制度ができそうです。国が所有し、相続人が管理料を負担する仕組みになりそうです。

所在がわからない人の土地を第三者が管理できる財産管理制度もできそうです。

今後は、価値を生まない親の自宅などは、必ず遺族の誰が相続するかを速やかに決めて、ちゃんと相続登記をすることがポイントです。

相続した人は、その後の負担が長期的に続く可能性があるのですから、他の相続人よりも金融資産を多く受け取るなどの配慮などをしてバランスをとればいかがでしょう。

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◆この記事は、メルマガ「生活マネー ミニ講座」(「まぐまぐ」:無料)にて配信したものです。

 

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