物価上昇に、どう対応する?

FPオフィス ワーク・ワークス ファイナンシャルプランナー(CFP)の中村宏です。

たいへんごぶさたしています。
2022年の師走も下旬を迎え、寒くなりました。
皆様、いかがお過ごしでしょうか?

私は、10月下旬、結婚式・披露宴に出席し、コロナに感染しました。第8波の入り口近くでしたね。
精一杯、ワクチン接種をし、日頃のふるまいに細心の注意を払っていましたが、やられました。
第8波が本格化する中、不特定多数の宴会などへの参加は、注意が必要なのかもしれません。

私は、幸い、焼けるような喉の痛みと、最高39度の高熱が3日半程度続いた程度で回復し、現時点で後遺症もないのでよかったです。
「コロナかも?」というときから回復するまで、東京都の相談窓口(サイトと電話)には、最新の対応方法を教えてもらって、助かりました。

感染していない方は、ぜひ、ご自愛ください。
インフルエンザにも注意してください。

さて、最近、物価の上がり具合いが激しいですね。
電気・ガス代をはじめ、多くのモノの値段が上昇しています。

総務省が毎月公表する消費者物価指数(生鮮食品を除く総合)が、物価のモノサシとされていますが、今年6月の前年同月比が+1.7%、7月は+2.2%、8月は+2.5%、9月は+2.9%、10月は+3.6%。
つまり、今年10月は、昨年10月よりもモノの値段が+3.6%上がっているということ。+3.6%は実に40年8ヶ月ぶり。1982年以来です。

今の60歳以下の方は、経済的自立をしてから、物価上昇(インフレ)を経験したことがないのではないでしょうか。

過去に4度あった消費税増税も、物価の上昇ですが、あれは政策として計画されて実施されたもの。また、増税とともにさまざまな経済対策も併せて実施されました。

インフレは容赦ありません。
これからどうなるのかも、はっきりとしません。

度を超えたインフレは、生活を壊し、社会を壊します。収入の低い弱者を叩き、世の中を蝕んでいきます。

現時点で、度を超えているとは言えないまでも、私たちがインフレに対してできる生活防衛策には、どのようなことがあるでしょうか。

○手取収入のアップ率が、物価上昇率を上回っているなら、手立てを施す必要はありません。
値段が上昇したモノを、増えた収入で買うことができ、貯蓄を取り崩す必要がないからです。

しかし、注意したいのは「手取収入」であること。
手取収入=額面収入-(所得税・住民税+社会保険料)

近年、税金や社会保険料負担が増える方向にあります。ですから、1月に源泉徴収票を受け取ったら、計算してみてください(源泉徴収票には、住民税の金額の記載はありませんので、直近の給与明細に書いている住民税×12ヶ月として計算してください)

○手取収入のアップ率が、物価上昇率を下回っているなら、手立てが必要です。

1、世帯収入を増やす
・副業をする
・配偶者が働く、あるいは、手取収入を増やす

なんとか、世帯全体の手取収入のアップ率が、物価上昇率以上になるようにしましょう。

2、支出を見直して、節約する
・家計の詳細を把握していない人は、家計簿をつけて、何にいくら使っているのか、現状を明らかにすることが大切。
共働き夫婦は、お互いが、相手に自分の懐の中を知らせないようにしている場合がありますので、夫婦で共有して透明性の高い家計にしましょう。

家計の見直しをするには、保険の見直し(必要保障額を確保した上で、余分な保障部分の解約等をして保険料負担を減らす)が効果的な場合があります。

家賃、駐車場代、自動車関連費用など、固定費を下げる、なくすことができれば、大きな効果が期待できます。

食費、日用品費、水道光熱費、お小遣いなども、ムダを洗い出して、使わない習慣を身につけましょう。

物価上昇は、家計を鍛えて筋肉質にするいいきっかけになります・・・と考えるしかありません。

ぜひ、前向きに捉えて、年末・年始などに夫婦で時間を確保して、取り組んでみてください。

3、資産運用を積極的に行う
・物価が上昇すると、資産運用や投資の勧誘が勢いづいてきます。
0%台の預金金利より、物価上昇率のほうが高いため、何もしないでいると資産が目減りするからです。
物価が上がると、持っているお金は減らなくても、減っているのと同じになります。

それを防ぐ方法は、インフレに強いと言われる投資・資産運用です。

積極的に行った方がいいですが、短期的な効果は期待できないことを肝に銘じておく必要があります。
また、多額の預金をまとめて一気に投資に切り替えることも、避けた方がいいでしょう。その時の相場の影響を強く受けてしまいます。
投資としたあと、長期間相場が低迷しないとも限りません。そうなるといつまでたっても、利益を確保することができす、インフレに惨敗するかもしれません。

時間はかかっても、積立投資をしましょう。投資でリターンをプラスにする確率を高める方法は、「長期・分散・積立」以外にはないのですから。

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