退職金の税金は超優遇されている!

FPオフィス ワーク・ワークス ファイナンシャルプランナー(CFP)の中村宏です。

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不明なことがあれば、とりあえずYouTube。
だいたいのことがわかる気がします。

さて本題。

「退職金の税制が超優遇されているから、労働力の移動が進まない。ゾンビ企業が人材を抱え込んだままになっている」などとも言われますが、それほどまでに退職金の税制は優遇されています。

まず、勤続年数に応じじて、「退職所得控除額」という非課税枠が設けられています。

勤続20年以下は、40万円×勤続年数
20年超は、800万円+70万円×(勤続年数-20年)

支給された退職金の額から、上記の式で計算された「退職所得控除額」を差し引きます。

その額を2で割ります。つまり半額。それが「退職所得」になります。

退職金にかかる税金は、「退職所得」に所得税率や住民税率を乗じて求めます。

超優遇のポイントは、退職所得控除額が大きいこと。
そして、2で割うことによって所得額を少なくできること。
この2つですね。
たとえば、勤続35年の人が2,000万円の退職金を受け取ったとしましょう。
この人の退職所得控除額は、800万円+70万円×(35年-20年)=1,850万円。

退職所得は、(2,000万円-1,850万円)÷2=75万円

この75万円に所得税率5%をかけて所得税を求めます。3.75万円。
住民税率10%をかけて住民税を求めます。7.5万円。
税金は、合計11.25万円です。

その結果、退職金の手取りは、2,000万円-11.25万円=1,988.75万円。

なお、勤続年数は、1年未満の端数があると、たとえ1日でも1年に切り上げて計算します。

退職所得控除額が80万円未満のときは、80万円として計算します。

勤続年数が5年以下の人の場合の退職所得は、以下の方法で計算します。

退職金額-退職所得控除額が300万円以下の場合
退職所得=(退職金額-退職所得控除額)÷2

退職金額-退職所得控除額が300万円超の場合
退職所得=150万円+(退職金額-(300万円+退職所得控除額))

ただし、役員等で、勤続年数が5年以下の人の場合は、
退職所得=退職金額-退職所得控除額となります。
つまり、「÷2」がなくなります。

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